【所在地】愛知県名古屋市東区芳野
名古屋市中心部から程近い、住宅街と市街地の間にある2つの坂の名称で、母子が亡くなったという伝承がある。
江戸時代
蔵王権現近くに大変美しい女が住んでいた。
女は近所に住んでいた若い武士とやがて恋に落ち、二人の間に男の子も生まれた。
ところが、身分の違いから女は武士に捨てられてしまった。
女は男のことを忘れるため尼となり子供と二人静かに暮らしていたが
結局男のことが忘れられず、気が狂い、雨の中、首を吊って死んでしまう。
残された男の子はしばらく村人によって育てられていたが、
同じく雨の日、男の子はもういない母を探して夜な夜な彷徨い続け坂の途中で息絶えた。
尼の女が亡くなった場所が、尼ヶ坂。
男の子がなくなった場所が、坊ヶ坂。
今なお伝わる伝承である。
市街地に位置するのに昼間でも少し鬱蒼とした雰囲気がある。
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