高校を彷徨う軍人の霊

神奈川県C市。

日本の国民的ロックバンドを生んだこの風光明媚な街に囁かれる、ある噂がある。

海に面するC市街

このC市N地区にかつて東洋一と言われるほどの結核病院が存在した。

第二次世界大戦中は結核のみならず、軍人の手当てや応急処置なども請け負った。

現在、病院の跡地には県立高校や老人ホームなどがあるのだが、そこで妙な噂が騒動と化していたという。

それが、敬礼する軍人の霊である。

跡地に建つ高校の生徒たちの間で話題となったが教師は「そんな非科学的な事があるはずが無い」と、その時は一蹴したのであった。

しかし、彼は部活動の顧問の仕事などで帰りが遅くなり、駐車場に停めてある車に乗ろうとした時、紛れもなく、この世のものではない軍服姿の男が敬礼をしていたのである。

第二次世界大戦中に病院で息を引き取った軍人、兵隊も数えきれないほど多かったのだろう。

その高校では今も…。