源氏の滝

【所在地】大阪府交野市東倉治


大阪・交野市にある「交野八景」のひとつにも数えられる高さ18mの滝。
大阪府屈指の心霊スポットとして名高いこの場所には悲しい歴史があるのをご存知だろうか。

源氏姫伝説

その昔、交野の里に源氏姫という美しい姫と、梅千代という可愛い少年が住んでいた。
2人は幼い頃に母親と生き別れしており、血は繋がっていないものの姉弟のように暮らしていた。
その頃、大和国と河内国の境に「おろち山」という場所に賊が住んでおり度々人里に現れては里の人々を襲い、脅かしていたという。
そんな賊は交野の里にも現れ、源氏姫と梅千代を襲い、縛り引き揚げた。
40代の女の賊の頭は2人を連れてくるように命令。
しかし梅千代は奇襲のショックで絶命してしまう。

そして女の頭は梅千代の死体を見るなり表情を変え、2人の縄を解き、泣き出してしまう。
訝しく思った源氏姫は梅千代の仇として、短刀で女の頭の胸を突いた。女の頭はこれに抵抗するでもなく、姫の手を掴みながら「源氏姫、梅千代、許しておくれ」と、泣き叫んだ。

女の頭が途切れ途切れに語る話の限り、女の頭は紛れもなく2人の母親だったのである。

弟も母も死んでしまい残された源氏姫。
2人の亡骸にすがり付き、泣きに泣き、源氏の滝から身を投げた。

…奇襲した賊の若頭の女性がまさか自分たちの本当の母親であったという悲しい伝説である。
そこで姫は自分たちは血が繋がっていると気付くのもやるせないほど皮肉である。母に関しては自分が殺してしまったという罪悪感と絶望感に囚われた姫が最期を遂げたのがこの「源氏の滝」であった。
ちなみに、滝の傍には「夜泣き石」という巨石があり、悲しい最期を遂げた源氏姫の泣き声が聞こえるのだという。

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